営業資料のデザインに悩んでいませんか?「デザインスキルがないから見栄えの良い資料が作れない」「どこから手をつければいいかわからない」そんな声をよく耳にします。
実は、営業資料のデザインは専門知識がなくても、基本原則さえ押さえれば誰でもプロフェッショナルな仕上がりにできます。本記事では、営業資料デザインの基本から実践テクニック、無料ツールの活用法まで、初心者の方でもすぐに実践できる内容を網羅的に解説します。
この記事を読めば、今日から成約率を高める魅力的な営業資料が作成できるようになります。
営業資料のデザインは、商談の成否を大きく左右する重要な要素です。内容が優れていても、デザインが整っていなければ、顧客に伝わるべき情報が正しく届きません。ここでは、営業資料デザインが重要である3つの理由について解説します。
第一印象で信頼性が決まる
営業資料の第一印象は、開封後わずか3秒で決まると言われています。この短い時間で、顧客は資料の良し悪しを無意識に判断しています。デザインが洗練されていれば「この会社は信頼できそう」という印象を与えられますが、逆にデザインが雑であれば「仕事も雑かもしれない」というネガティブな印象を持たれてしまいます。
特にオンライン商談が増えた現代では、画面上で資料が大きく表示されるため、デザインの良し悪しがより顕著に現れます。企業イメージは営業資料のデザインと直結しており、ブランド価値を高めるためにも、統一感のあるプロフェッショナルなデザインが求められます。
また、決裁者が資料を間接的に確認する場合、営業担当者の説明がない状態で判断されることも多く、資料のデザイン品質がそのまま企業評価につながります。
複雑な情報をシンプルに伝える力
営業資料のデザインは、視覚的理解を促進する重要な役割を果たします。文字だけの資料では、顧客が情報を理解するのに時間がかかり、重要なポイントを見逃してしまう可能性があります。一方、適切にデザインされた資料は、グラフや図解を活用することで、複雑なデータや概念を一目で理解できるようにします。
調査によれば、視覚情報を含む資料は、テキストのみの資料と比較して理解度が約60%向上するというデータもあります。特に数値データや比較情報、プロセスの説明などは、ビジュアル化することで圧倒的に伝わりやすくなります。
また、色分けや階層構造を明確にすることで、情報の優先順位が視覚的に伝わり、顧客が短時間で要点を把握できるようになります。限られた商談時間の中で、最大限の情報を効率的に伝えるために、デザインは不可欠な要素です。
競合との差別化につながる
市場には同じような商品・サービスを提供する競合が数多く存在します。そんな中で、印象に残る営業資料は、競合との差別化において大きな武器となります。デザイン品質が高い資料は、顧客の記憶に残りやすく、商談後の社内検討においても有利に働きます。
実際、営業資料のデザイン品質と商談成功率には相関関係があることが、複数の調査で明らかになっています。特に、顧客が複数社から提案を受けている場合、内容が同等レベルであれば、デザインが優れている資料の方が選ばれる傾向にあります。
また、統一感のあるブランディングが施された営業資料は、企業の専門性や信頼性を視覚的に訴求し、「この会社に任せたい」という気持ちを醸成します。デザインへの投資は、長期的な営業成果の向上につながる重要な要素です。
プロフェッショナルな営業資料を作成するには、3つの基本原則を押さえることが重要です。これらの原則は、デザインの専門知識がない方でも実践できる内容で、守るだけで資料の品質が劇的に向上します。
シンプルさを追求する
営業資料デザインの最も重要な原則は「シンプルさ」です。1ページに伝えるべき内容は1つのメッセージに絞り、余計な装飾や情報を削ぎ落とすことで、顧客の理解度が大幅に向上します。情報を詰め込みすぎた資料は、見る側にストレスを与え、重要なポイントが埋もれてしまいます。
シンプルなデザインを実現するには、まず伝えたい情報の優先順位を明確にします。最も重要なメッセージを大きく目立たせ、補足情報は小さく配置します。また、装飾的な要素(影、グラデーション、アニメーションなど)は最小限に抑え、情報の伝達に集中したデザインを心がけましょう。
余白も重要な要素です。適切な余白は、情報を整理し、視認性を高めます。ページ全体の30〜40%は余白として確保し、窮屈な印象を避けることで、プロフェッショナルな印象を与えられます。
統一感を持たせる
営業資料全体で統一感を持たせることは、ブランドイメージを保ち、プロフェッショナルな印象を与えるために不可欠です。統一感のない資料は、見る側に違和感を与え、信頼性を損ないます。
フォントは最大2種類までに限定しましょう。見出し用に1種類(例:ゴシック体)、本文用に1種類(例:明朝体またはゴシック体)を選び、全ページで統一します。フォントの種類が増えると、資料全体がまとまりのない印象になってしまいます。
カラーパレットも3〜5色以内に制限します。企業のブランドカラーをベースに、メインカラー(60%)、サブカラー(30%)、アクセントカラー(10%)の配分を意識すると、バランスの良い配色になります。また、レイアウトのルール(見出しの位置、余白の取り方、図表の配置など)も全ページで一貫させることで、統一感が生まれます。
視認性を高める
視認性の高い営業資料は、顧客がストレスなく情報を読み取れるため、理解度と満足度が向上します。視認性を高めるには、コントラスト、余白、フォントサイズの3つの要素に注意します。
コントラストの強い配色を選ぶことで、文字や図表が明瞭に見えます。例えば、白背景に黒文字、濃い青背景に白文字など、明度差の大きい組み合わせが効果的です。淡い色同士の組み合わせは避け、特にプロジェクターで投影する場合は、はっきりした色を選びましょう。
フォントサイズは、プレゼンテーション用の資料であれば最低18pt以上を推奨します。タイトルは28〜36pt、見出しは20〜24pt、本文は18〜20ptを目安にすると、遠くからでも読みやすくなります。また、行間を文字サイズの1.5〜2倍確保することで、文章が読みやすくなります。
レイアウト設計は、営業資料の情報伝達力を左右する重要な要素です。人間の視線の動きを理解し、情報を階層化することで、顧客がスムーズに内容を理解できる資料が完成します。
視線の流れを意識した配置
人間の視線には、一定の法則性があります。資料を見る際、多くの人はZの法則(左上→右上→左下→右下)またはFの法則(左上から右へ、次の行の左から右へ)に従って視線を動かします。この法則を理解し、レイアウトに活用することで、重要な情報を自然に目に入る位置に配置できます。
Zの法則は、全体をざっと見る際に現れやすく、チラシやポスターでよく使われます。営業資料では、表紙や概要ページでこの法則を活用すると効果的です。一方、Fの法則は、詳細な情報をじっくり読む際に現れ、テキスト量が多いページで有効です。
重要なメッセージは左上または中央に配置し、補足情報を右下に配置することで、視線の流れに沿った自然な情報伝達が可能になります。また、余白を戦略的に使い、視線を誘導したい方向に空間を作ることで、読み手の注目を集められます。
情報の階層化テクニック
情報を階層化することで、資料全体の構造が明確になり、顧客が重要なポイントを素早く把握できるようになります。見出し、本文、補足情報を視覚的に区別することが重要です。
見出しは、大きなフォントサイズ(20〜24pt)と太字を使用し、ページの最も目立つ位置に配置します。見出しの色も本文と変えることで、視覚的な階層を作ります。本文は、読みやすい標準サイズ(18〜20pt)で、簡潔な文章を心がけます。補足情報は、小さめのフォント(14〜16pt)または薄めの色を使用し、脚注やキャプションとして配置します。
箇条書きと段落の使い分けも重要です。複数の項目を並列に示す場合は箇条書きを、ストーリー性のある説明をする場合は段落を使用します。ビジュアルヒエラルキー(視覚的な優先順位)を作るには、サイズ、色、位置、太さを組み合わせて、情報の重要度を明確に示します。
グラフ・図解の効果的な使い方
数値データや複雑な概念は、グラフや図解を使用することで、理解度が飛躍的に向上します。テキストだけで説明するよりも、視覚的に表現した方が、顧客の記憶に残りやすくなります。
数値データは必ずグラフ化しましょう。推移を示す場合は折れ線グラフ、割合を示す場合は円グラフ、比較を示す場合は棒グラフが適しています。グラフには、タイトルと単位を明記し、何を示しているかを一目で理解できるようにします。また、色分けや凡例を使用して、データの区別を明確にします。
複雑な概念やプロセスは、フローチャートや図解で表現します。矢印や番号を使用して、順序や関係性を視覚化することで、顧客の理解を助けます。Before/After比較を示す場合は、左右に並べて配置し、変化や改善点を視覚的に強調します。この際、Before側は彩度を落とし、After側を鮮やかな色にすることで、効果を際立たせられます。
色は、営業資料の印象を大きく左右する要素です。適切な色使いは、ブランドイメージを強化し、情報の理解を助け、顧客の感情に働きかけます。一方、不適切な配色は、視認性を下げ、プロフェッショナルさを損ないます。
企業カラーを基調にした配色
営業資料の配色は、企業のブランドカラーを基調とすることで、ブランドイメージの統一と認知度向上につながります。コーポレートサイトやロゴと同じ色を使用することで、顧客は「この会社の資料だ」と一目で認識できます。
配色の基本は、60:30:10の法則です。メインカラー(企業のブランドカラー)を60%、サブカラー(メインカラーと相性の良い色)を30%、アクセントカラー(目立たせたいポイントに使う色)を10%の割合で使用します。この配分を守ることで、バランスの取れた配色が実現できます。
メインカラーは背景や大きな面積に使用し、資料全体の雰囲気を決定します。サブカラーは見出しや枠線などに使用し、メインカラーを引き立てます。アクセントカラーは、CTA(行動喚起)ボタンや重要な数値など、特に注目してほしい箇所に限定的に使用することで、効果的に視線を集められます。
心理効果を活用した色選び
色には、人間の心理に影響を与える力があります。営業資料でも、伝えたいメッセージや感情に合わせて色を選ぶことで、顧客の心を動かすことができます。
青系の色は、信頼感、誠実さ、安定性を連想させます。金融、IT、医療など、信頼性が重視される業界で広く使われています。冷静で落ち着いた印象を与えたい場合に適しています。赤・オレンジ系の色は、情熱、エネルギー、緊急性を表現します。行動を促したい場合や、限定感を演出したい場合に効果的です。ただし、使いすぎると攻撃的な印象を与えるため、アクセントとして控えめに使用します。
緑系の色は、安心感、成長、環境への配慮を示します。環境関連、健康、教育などの分野でよく使われます。自然で穏やかな印象を与えたい場合に適しています。黄色は注意を引きつける色で、重要な情報を強調する際に使用しますが、背景色としては視認性が低いため避けましょう。灰色は中立的でプロフェッショナルな印象を与え、補助的な情報に使用します。
読みやすさを重視した配色ルール
営業資料の配色で最も重要なのは、読みやすさです。どんなに美しい配色でも、文字が読みにくければ、資料としての価値は半減します。
背景と文字のコントラスト比は、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)の基準では4.5:1以上が推奨されています。例えば、白背景に黒文字、濃紺背景に白文字などが該当します。薄い灰色背景に薄い青文字のような組み合わせは、視認性が低く避けるべきです。特に、プロジェクターで投影する場合や、印刷する場合は、コントラストが不十分だと文字が見えなくなる可能性があります。
色覚多様性(色覚異常)への配慮も重要です。日本人男性の約5%、女性の約0.2%は何らかの色覚異常を持っています。赤と緑の区別がつきにくい方もいるため、色だけで情報を区別せず、形や模様、テキストラベルを併用しましょう。また、カラーユニバーサルデザインの推奨配色を参考にすることで、より多くの人が快適に読める資料が作成できます。
印刷時の見え方も考慮しましょう。画面上で見る色と、印刷された色は異なる場合があります。特に、淡い色は印刷するとほとんど見えなくなることがあるため、印刷する可能性がある資料では、濃い目の色を選ぶことをおすすめします。
フォント選びは、営業資料の読みやすさとプロフェッショナルさを決定づける重要な要素です。適切なフォントを選び、文字サイズや行間を最適化することで、情報の伝達力が大幅に向上します。
営業資料に適したフォントの種類
営業資料では、視認性が高く、プロフェッショナルな印象を与えるフォントを選ぶことが重要です。日本語フォントの場合、見出しにはゴシック体を使用することで、力強く明瞭な印象を与えられます。メイリオ、游ゴシック、ヒラギノ角ゴシックなどが代表的です。
本文には、明朝体またはゴシック体を使用します。印刷物では明朝体が読みやすいとされていますが、プレゼンテーション資料や画面表示の場合は、ゴシック体の方が視認性が高くなります。特に、遠くから見る資料や、プロジェクターで投影する資料では、ゴシック体を選びましょう。
英数字フォントも重要です。日本語フォントの欧文部分は、時として不格好に見えることがあるため、英数字専用のフォントを併用すると、より洗練された印象になります。Arial、Helvetica、Calibriなどのサンセリフ系フォントが、営業資料に適しています。ただし、フォントの種類が増えすぎると統一感が失われるため、全体で2〜3種類までに抑えましょう。
装飾的なフォント(筆記体、手書き風など)は、営業資料では避けるべきです。これらのフォントは、可読性が低く、プロフェッショナルさを損なう可能性があります。
読みやすい文字サイズと行間
文字サイズは、資料の用途によって最適な設定が異なります。プレゼンテーション用の営業資料では、最低でも18pt以上を使用しましょう。具体的には、タイトルは28〜36pt、見出しは20〜24pt、本文は18〜20ptが推奨されます。会議室の後方からでも読めるサイズを意識することが重要です。
一方、配布資料や手元で読む資料の場合は、本文を14〜16ptにすることで、より多くの情報を盛り込むことができます。ただし、小さすぎると読みづらくなるため、11pt以下は避けましょう。
行間(行送り)は、文字サイズの1.5〜2倍が読みやすいとされています。PowerPointの場合、行間を「1.5行」または「倍数1.5」に設定すると、適度な空間が確保され、文章が読みやすくなります。行間が狭すぎると、文字が詰まって見え、視覚的なストレスを与えます。
文字間隔(トラッキング)も重要です。デフォルトの設定で十分な場合が多いですが、タイトルや見出しで文字を大きくした場合、文字間隔を若干広げる(トラッキングを0〜5%プラス)ことで、より洗練された印象になります。
強調表現の使い方
重要な情報を目立たせるための強調表現は、効果的に使用することで、顧客の注意を引くことができます。ただし、過度な強調は逆効果となるため、戦略的に使用することが重要です。
太字(ボールド)は、最も一般的な強調方法です。見出しや重要なキーワードに使用することで、視覚的な階層を作ります。本文中で強調したい単語やフレーズにも使用できますが、全体の20%以下に抑えることで、本当に重要な部分が際立ちます。
色による強調も効果的です。本文中の重要な数値やキーワードをアクセントカラーで表示することで、視線を集められます。ただし、色だけで情報を区別するのではなく、太字やマーカーと組み合わせることで、色覚多様性への配慮にもなります。
サイズによる強調は、見出しと本文の区別に使用します。同じ段落内で文字サイズを変えると読みにくくなるため、避けましょう。アンダーラインは、Webページではリンクを示す記号と認識されることが多いため、営業資料では使用を控えることをおすすめします。代わりに、背景色(マーカー)を使用すると、自然な強調ができます。
強調しすぎることは、「どこが重要なのかわからない」という逆効果を生みます。強調は、本当に重要な箇所だけに限定し、メリハリのある資料を作成しましょう。
営業資料のデザインでよく見られる失敗例を理解することで、自社の資料を客観的にチェックし、改善することができます。ここでは、代表的なNG例とその改善方法を紹介します。
よくある失敗例5選
1. 文字が小さすぎて読めない 最も多い失敗例は、文字サイズが小さすぎることです。作成者のパソコン画面では読めても、プロジェクターで投影したり、タブレットで見たりすると、文字が潰れて読めなくなります。本文が14pt以下、特に10〜12ptで作成された資料は、会議室の後方からは全く読めません。
2. 情報を詰め込みすぎている 1枚のスライドにあれもこれもと情報を詰め込むと、どこを見ればいいのかわからず、顧客に負担をかけます。文字が画面いっぱいに並んでいる資料は、見ただけで読む気が失せてしまいます。余白がほとんどない資料は、圧迫感があり、プロフェッショナルさに欠けます。
3. 色がバラバラで統一感がない 1つの資料の中で、赤、青、緑、黄色、ピンク、紫など、多くの色が使われている場合、視覚的な混乱を招きます。ページごとに配色が異なる資料も、統一感がなく、ブランドイメージを損ないます。また、蛍光色や原色を多用すると、目が疲れて資料を最後まで見てもらえない可能性があります。
4. 余白が少なく窮屈な印象 余白を「もったいない」と感じて、画面いっぱいに要素を配置してしまうことがあります。しかし、適切な余白がないと、情報が詰まって見え、読みにくくなります。特に、文字と文字の間、図表と文章の間に余白がないと、どこで区切れているのかわからず、理解が困難になります。
5. フォントの種類が多すぎる 1つの資料で4種類以上のフォントを使用していると、まとまりのない印象になります。特に、装飾的なフォント(筆記体、ポップ体など)を混在させると、プロフェッショナルさが失われます。「目立たせたい」という意図で様々なフォントを使っても、結果的にどこも目立たない資料になってしまいます。
改善Before/After実例
NG例1の改善:文字が小さすぎる資料 Before:本文が12pt、見出しが16ptで作成され、余白も少なく情報が詰まっている状態。 After:本文を18pt、見出しを24ptに変更し、1ページに掲載する情報量を半分に削減。余白を十分に取ることで、視認性が大幅に向上し、重要なポイントが明確になりました。
NG例2の改善:情報過多の資料 Before:1ページに10項目以上の箇条書きと、複数の図表が配置され、どこから読めばいいかわからない状態。 After:1ページ1メッセージの原則に従い、内容を3〜4ページに分割。各ページに1つの主要メッセージと、それを裏付ける図表を1つだけ配置することで、理解度が向上しました。
NG例3の改善:色がバラバラ Before:赤、青、緑、黄色、ピンク、オレンジの6色が使われ、ページごとに配色が異なる状態。 After:企業のブランドカラー(青)をメインに、補色のオレンジをアクセントカラーとして使用。全体で3色に絞ることで、統一感が生まれ、プロフェッショナルな印象に変わりました。
NG例4の改善:余白不足 Before:スライドの端から端まで要素が配置され、窮屈な印象。行間も狭く、文字が詰まっている状態。 After:スライドの周囲に10%程度の余白を確保し、各要素の間にも適切な空間を設けました。行間を1.5倍に設定することで、読みやすさが劇的に改善しました。余白を「デザインの一部」と捉えることで、洗練された印象になりました。
NG例5の改善:フォント多用 Before:見出し、本文、キャプションで異なるフォントを使用し、強調部分にも別のフォントを適用。全体で5種類のフォントが混在している状態。 After:見出しに游ゴシック(太字)、本文にメイリオを使用し、全体で2種類に統一。強調は太字と色の変更で対応することで、統一感のある資料になりました。
これらの改善により、資料の視認性、理解度、プロフェッショナルさが大幅に向上し、顧客からの評価も高まります。自社の営業資料をこれらのNG例と照らし合わせ、該当する箇所があれば、すぐに改善しましょう。
営業資料は、目的によって最適なデザインアプローチが異なります。会社案内、提案書、実績紹介など、それぞれの目的に応じたデザインテクニックを活用することで、より効果的な資料が作成できます。
会社案内・サービス紹介資料
会社案内やサービス紹介資料では、ブランドイメージを前面に押し出し、信頼感を醸成することが最優先です。表紙には企業ロゴを大きく配置し、コーポレートカラーを基調としたデザインで統一感を持たせます。視覚的な要素を重視し、文字よりも写真やイラストの比率を高めることで、直感的に企業やサービスの魅力が伝わります。
サービス概要ページでは、実際の画面キャプチャや製品写真を大きく配置し、利用イメージを具体的に示します。キャッチコピーは短く印象的な言葉を選び、24pt以上の大きなフォントで目立たせます。企業理念やビジョンを伝える場合は、抽象的な表現だけでなく、具体的なエピソードや数値を組み合わせることで、説得力が増します。
信頼性を高める要素として、企業の歴史、受賞歴、認証マーク、メディア掲載実績などを視覚的に配置します。創業年数を強調したい場合は、タイムラインで表現し、成長の軌跡を示すことで、安定性をアピールできます。また、代表者の顔写真やメッセージを掲載することで、親近感と信頼感を同時に醸成できます。
提案書・企画書
提案書や企画書では、ストーリー性のある流れを作り、顧客を最終的な意思決定へと導くことが重要です。冒頭で顧客の課題を明確に提示し、「この提案書は自分たちのための内容だ」と感じてもらいます。課題提示では、顧客へのヒアリング内容を反映させ、具体的な状況を記載することで、カスタマイズされた提案であることを示します。
データと図解を効果的に組み合わせることで、提案内容の説得力を高めます。市場データや競合分析は、グラフやチャートで視覚化し、客観的な根拠を示します。ソリューションの説明では、フローチャートや図解を使用し、導入プロセスやシステム構成を分かりやすく表現します。
行動喚起を促すデザインも重要です。提案書の最後には、次のステップを明確に示すCTAページを配置します。「無料トライアルを申し込む」「詳細な見積もりを依頼する」「導入スケジュールを相談する」など、具体的なアクションをボタン形式で配置し、視覚的に目立たせます。ボタンはアクセントカラーを使用し、周囲に余白を十分に取ることで、クリックを促します。
また、投資対効果(ROI)を示す場合は、Before/Afterの比較や、具体的な数値シミュレーションをグラフで表現します。「導入後3ヶ月で〇〇%のコスト削減」「年間〇〇万円の売上増加」など、定量的な成果を視覚的に強調することで、意思決定を後押しできます。
実績・事例紹介資料
実績や事例紹介資料では、具体的な成果を数値で示し、信頼性を高めることが最重要です。数値の見せ方を工夫することで、インパクトを最大化できます。大きな数値は特大フォント(48pt以上)で表示し、背景色や枠で囲むことで、視線を集めます。増加率や改善率は、矢印アイコンと組み合わせて表現することで、ポジティブな印象を強調できます。
お客様の声は、写真と実名を掲載することで、信頼性が大幅に向上します。匿名の声よりも、企業名と担当者名が明記された推薦文の方が、説得力があります。写真は笑顔のものを選び、親しみやすさを演出します。引用文は、カギ括弧や引用符を使用し、背景色を変えることで、本文と区別します。
Before/After比較は、視覚的なインパクトが大きい表現方法です。画面を左右に分割し、Beforeを左側(または上側)、Afterを右側(または下側)に配置します。Beforeは彩度を落としてグレースケールにし、Afterはカラーで鮮やかに表示することで、改善効果を際立たせます。矢印や「改善」「達成」などのラベルを追加することで、変化が一目で理解できます。
業界別、課題別に事例を分類して紹介する場合は、アイコンやタグを使用して視覚的に区別します。「製造業」「小売業」「金融業」などの業界アイコンを事例の冒頭に配置することで、顧客が自社に関連する事例をすぐに見つけられます。また、導入規模(従業員数、売上規模など)を明記することで、顧客が自社と比較しやすくなります。
営業資料を作成する際、適切なツールを選ぶことで、作業効率とクオリティが大きく変わります。ここでは、無料または低コストで使える代表的なツールを比較し、それぞれの特徴と活用方法を解説します。
Canva(キャンバ)
Canvaは、デザイン初心者でも直感的に操作できるクラウド型デザインツールです。営業資料専用のテンプレートが豊富に用意されており、プロがデザインしたレイアウトをベースに、自社の情報を入れ替えるだけで、高品質な資料が完成します。
特徴と使いやすさの面では、ドラッグ&ドロップの簡単操作で、デザインスキルがなくても洗練された資料が作成できます。写真、イラスト、アイコン、フォントなどの素材が数百万点用意されており、資料内で自由に使用できます。カラーパレット機能を使えば、企業のブランドカラーを登録し、ワンクリックで全体の配色を統一できます。
営業資料テンプレートは、会社案内、サービス紹介、提案書、事例集など、用途別に数千種類が用意されています。業種別のテンプレートもあり、IT、製造、小売、医療など、自社の業界に合ったデザインを選べます。テンプレートは完全にカスタマイズ可能で、色、フォント、レイアウトを自由に変更できます。
無料版でも基本的な機能は十分に使用でき、多くのテンプレートと素材にアクセスできます。有料版(Canva Pro、月額1,500円程度)では、ブランドキット機能でフォントやカラーパレットを登録でき、背景透過やリサイズ機能など、より高度な編集が可能になります。チームで共同編集する場合や、資料を頻繁に作成する場合は、有料版の導入をおすすめします。
PowerPoint/Googleスライド
PowerPointとGoogleスライドは、最も広く使われているプレゼンテーションツールです。多くの企業で標準的に使用されており、習得済みの方も多いでしょう。基本機能を活用するだけでも、十分にプロフェッショナルな営業資料が作成できます。
PowerPointの基本機能では、豊富な図形、SmartArt、グラフ機能を使用して、視覚的な資料を作成できます。アニメーション機能を使えば、プレゼンテーション時に情報を段階的に表示し、聴衆の注意を引くことができます。デザインアイデア機能(Office 365版)を使用すると、AIが自動的にレイアウト案を提案してくれます。
Googleスライドは、クラウドベースのため、複数人でのリアルタイム共同編集が可能です。バージョン管理が自動的に行われ、過去の編集内容に戻すこともできます。PowerPointとの互換性もあり、ファイルの相互変換が可能です。
デザインテンプレートの活用では、Microsoft OfficeやGoogleが提供する公式テンプレートを使用することで、統一感のある資料が簡単に作成できます。テンプレートをベースに、マスタースライド機能でフォント、色、レイアウトを一括設定すれば、全ページに自動適用されます。
ショートカットキーで効率化することも重要です。Ctrl+D(複製)、Ctrl+Shift+C(書式コピー)、Alt+F10(選択オブジェクトの整列メニュー表示)など、よく使うショートカットを覚えることで、作業時間を大幅に短縮できます。図形の整列や均等配置機能を活用することで、きれいなレイアウトが素早く完成します。
Figma
Figmaは、Webデザインやアプリデザインで広く使われているデザインツールですが、営業資料作成にも非常に適しています。よりプロフェッショナルな仕上がりを目指す場合や、デザインシステムを構築したい場合におすすめです。
プロフェッショナルな仕上がりを実現するため、Figmaはピクセル単位での精密な配置が可能で、細部までこだわったデザインが作成できます。コンポーネント機能を使用すれば、ボタンや見出しなどの要素を部品化し、再利用することで、デザインの一貫性を保てます。プラグイン機能を活用すると、アイコンの一括挿入、画像の自動最適化、カラーパレットの生成など、作業効率が向上します。
共同編集機能は、チームメンバーが同時にファイルを編集でき、リアルタイムでコメントやフィードバックを交換できます。バージョン履歴が自動保存され、過去のデザインに戻すことも簡単です。デザインのレビュー時には、プレゼンテーションモードで全画面表示し、ステークホルダーに確認してもらえます。
デザインシステムの構築では、企業のブランドカラー、フォント、コンポーネントを登録したライブラリを作成し、全ての営業資料で統一されたデザインを維持できます。一度ライブラリを構築すれば、新しい資料を作成する際も、既存のコンポーネントを組み合わせるだけで、短時間で高品質な資料が完成します。
Figmaは基本的に無料で使用でき、個人利用や小規模チームには十分な機能が提供されています。有料プラン(月額15ドル程度)では、無制限のプロジェクトと共同編集者、高度なバージョン管理などが利用できます。
営業資料の作成には時間がかかりますが、効率化のテクニックを活用することで、作業時間を大幅に短縮しながら、高品質な資料を作成できます。
テンプレートの効果的な活用法
テンプレートを効果的に活用することで、毎回ゼロから資料を作成する手間が省けます。自社専用テンプレートを作成し、企業ロゴ、カラーパレット、フォント設定、よく使うレイアウトパターンを登録しておきましょう。表紙、目次、セクション区切り、本文、まとめなど、用途別のページテンプレートを用意しておくと便利です。
PowerPointのマスタースライド機能を活用すれば、全ページに共通するデザイン要素(ロゴ、ページ番号、フッターなど)を一括設定できます。マスタースライドで設定した内容は、新しいスライドを追加するたびに自動適用されるため、手作業でロゴを配置する必要がありません。フォントや色を変更したい場合も、マスタースライドを編集するだけで、全ページに反映されます。
パーツのライブラリ化も重要です。よく使うボタン、アイコン、図解、グラフのフォーマットなどを、別ファイルまたはスライドに保存しておき、必要に応じてコピー&ペーストすることで、作業時間を短縮できます。Figmaのコンポーネント機能や、PowerPointのクイックパーツ機能を活用すると、さらに効率的です。
業種別、目的別のテンプレートセットを複数用意しておくことで、新規顧客、既存顧客、業界別など、状況に応じて最適な資料をすぐに作成できます。
デザイン作業を効率化するコツ
デザイン作業の効率化には、よく使う要素を事前登録しておくことが重要です。よく使う図形やアイコンは、お気に入りに登録したり、ツールバーにショートカットを追加したりすることで、すぐにアクセスできます。企業ロゴや製品画像など、頻繁に使用する画像は、専用フォルダに整理しておき、すぐに挿入できるようにします。
カラーパレットの事前設定も効率化のポイントです。PowerPointやCanvaでは、企業のブランドカラーをカスタムカラーとして登録できます。RGBやHEXコードを保存しておけば、毎回色を探す手間が省けます。また、配色パターン(メインカラー、サブカラー、アクセントカラーの組み合わせ)を複数パターン用意しておくと、資料の雰囲気に応じて選択できます。
ショートカットキーの活用は、作業速度を劇的に向上させます。以下は、営業資料作成でよく使うショートカットです。
- Ctrl+D:選択したオブジェクトを複製
- Ctrl+Shift+C:書式のみコピー
- Ctrl+Shift+V:書式のみ貼り付け
- Alt+H→G→A:オブジェクトの整列メニューを表示
- F5:スライドショー開始
これらのショートカットを覚えるだけで、マウス操作が減り、作業効率が大幅に向上します。
外注・内製の判断基準
営業資料を内製するか外注するかは、コスト、品質、時間のバランスを考慮して判断します。外注の相場は、基本的な営業資料(10〜20ページ)で5万円〜15万円、より高度なデザインやブランディングが必要な場合は20万円以上になることもあります。一方、内製の場合は人件費のみですが、デザインスキルの習得や作業時間を考慮する必要があります。
外注が適しているケースは、大型案件の提案書や、企業のイメージを左右する重要な資料を作成する場合です。また、社内にデザインリソースがない、または他の業務に集中したい場合も、外注が適しています。プロのデザイナーに依頼することで、短期間で高品質な資料が完成し、成約率の向上が期待できます。
内製が適しているケースは、頻繁に更新が必要な資料や、少人数向けの簡易的な資料を作成する場合です。また、社内にデザインツールやテンプレートが整っており、基本的なデザインスキルを持つ担当者がいる場合は、内製の方がコスト効率が良くなります。
外注先の選び方としては、過去の制作実績(ポートフォリオ)を確認し、自社の業界や目的に合った経験があるか確認します。見積もりは複数社から取得し、価格だけでなく、納期、修正回数、著作権の扱いなども比較します。クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークスなど)を活用すれば、比較的低コストで依頼できますが、品質にばらつきがあるため、事前に評価やレビューを確認しましょう。
デジタル営業が普及した現代では、パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンでも快適に閲覧できる営業資料が求められています。
デジタル営業時代の資料設計
タブレットやモバイルデバイスでの閲覧を前提とした資料設計では、画面サイズを考慮したレイアウトが重要です。iPadなどのタブレットは、パソコンよりも画面が小さいため、文字サイズは通常より大きめ(最低20pt以上)に設定します。情報を詰め込みすぎず、1ページに表示する要素を絞ることで、小さな画面でも見やすくなります。
スワイプ操作を前提とした構成も考慮しましょう。ページ送りは左右のスワイプで行われることが多いため、横長のレイアウトよりも、縦にスクロールできるレイアウトが適している場合もあります。ただし、一般的な営業資料は横長(16:9)で作成されるため、1ページの情報量を減らし、ページ数を増やすことで対応します。
インタラクティブ要素の追加も、デジタル資料の強みです。リンクボタンを配置し、詳細ページへジャンプできるようにすることで、顧客が興味のある情報に素早くアクセスできます。動画を埋め込むことで、製品デモやお客様の声を動的に伝えられます。目次ページから各セクションへのリンクを設定することで、長い資料でもナビゲーションがスムーズになります。
タッチ操作に配慮した設計も重要です。ボタンやリンクは、指でタップしやすいサイズ(最低44×44ピクセル)に設定し、隣接する要素との間に十分な余白を確保します。細かい文字や小さなアイコンは、タッチ操作では選択しにくいため、避けましょう。
PDFとパワーポイントの使い分け
営業資料のファイル形式は、用途に応じてPDFとPowerPointを使い分けることが重要です。それぞれにメリット・デメリットがあり、状況に応じた選択が求められます。
PDFのメリットは、どのデバイスでも同じ見え方で表示されることです。フォントや レイアウトが崩れる心配がなく、受け手の環境に依存しません。編集が困難なため、資料の内容を保護したい場合に適しています。ファイルサイズが小さく、メールでの送付やWebサイトへの掲載に適しています。
PDFのデメリットは、編集が基本的にできないため、内容の更新や修正に手間がかかることです。アニメーション機能が使えず、プレゼンテーション時の演出が限定されます。
PowerPointのメリットは、プレゼンテーション機能が充実しており、アニメーションやトランジションで聴衆の注意を引けることです。編集が容易で、顧客ごとにカスタマイズした資料を素早く作成できます。発表者ツールを使用すれば、ノートを見ながら発表できます。
PowerPointのデメリットは、受け手の環境によっては、フォントやレイアウトが崩れる可能性があることです。ファイルサイズが大きくなりやすく、画像を多用すると数十MBになることもあります。PowerPointがインストールされていない環境では、開けない場合があります。
用途別の最適なフォーマットとしては、メール送付や配布資料にはPDF、プレゼンテーション時にはPowerPoint、Webサイトでの公開にはPDF、社内での編集・共有にはPowerPointが適しています。
ファイルサイズの最適化も重要です。画像は、必要以上に高解像度のものを使用せず、Webやプレゼンテーション用であれば72〜96dpiで十分です。PowerPointの「図の圧縮」機能を使用することで、ファイルサイズを大幅に削減できます。動画を埋め込む場合は、ファイルサイズを考慮し、必要に応じて外部リンクを使用します。
営業資料を作成した後、提出前に確認すべき項目をチェックリストにまとめました。このリストを使用することで、見落としを防ぎ、プロフェッショナルな資料を顧客に届けることができます。
提出前に確認すべき10項目
1. 1ページ1メッセージになっているか 各ページには、伝えたいメッセージが1つに絞られているか確認します。複数のテーマが混在していると、顧客が混乱し、重要なポイントが伝わりません。各ページのタイトルを見て、そのページで伝えたいことが明確になっているかチェックしましょう。
2. フォントは2種類以内か 資料全体で使用しているフォントの種類を数えます。見出し用と本文用で最大2種類までに抑えられているか確認します。3種類以上使用している場合は、統一感を損なうため、削減しましょう。
3. カラーは5色以内か 使用している色を全てリストアップし、5色以内に収まっているか確認します。背景色、文字色、アクセントカラーを含めて数えます。多すぎる場合は、類似色を統一し、配色をシンプルにします。
4. 文字サイズは適切か(最低18pt) 特にプレゼンテーション用の資料では、本文の文字サイズが18pt以上あるか確認します。会議室の後方からでも読めるサイズになっているかを基準に判断します。配布資料の場合でも、14pt以下は避けるべきです。
5. 余白は十分にあるか 各ページの周囲に適切な余白が確保されているか確認します。スライドの端から端まで要素が配置されていると、窮屈な印象になります。要素同士の間にも適切な空間があるかチェックしましょう。
6. 情報の優先順位は明確か 最も伝えたい情報が視覚的に強調されているか確認します。サイズ、色、位置、太さなどを使って、情報の階層が明確になっているかチェックします。全ての情報が同じレベルで表示されていると、何が重要なのか分かりません。
7. グラフ・図解は効果的か 数値データがグラフ化されているか、複雑な概念が図解されているか確認します。グラフには適切なタイトルと軸ラベルがあるか、凡例が分かりやすいかもチェックします。文字だけで説明している箇所がないか見直しましょう。
8. 誤字脱字はないか 全ページを通して、誤字脱字がないか確認します。特に、数値、企業名、人名、専門用語は慎重にチェックします。可能であれば、複数人で確認することをおすすめします。スペルチェック機能も活用しましょう。
9. 企業ロゴ・カラーは統一されているか 企業ロゴが全ページで同じ位置に配置されているか、ブランドカラーが正しく使用されているか確認します。コーポレートサイトやパンフレットと比較し、色やフォントがブランドガイドラインに沿っているかチェックします。
10. ファイルサイズは適切か 特にメールで送付する場合、ファイルサイズが5MB以下に収まっているか確認します。大きすぎる場合は、画像の圧縮や不要なページの削除を検討します。受信者の環境で問題なく開けるサイズを意識しましょう。
これら10項目を全てクリアすることで、プロフェッショナルで効果的な営業資料が完成します。提出前に必ずチェックリストを確認する習慣をつけましょう。
印刷時の注意点
営業資料を印刷する場合、画面上での見え方と印刷物では異なる点があるため、以下の注意点を確認します。
用紙サイズの確認 資料を作成する際、印刷する用紙サイズを事前に決定します。一般的にはA4サイズ(210×297mm)が標準ですが、プレゼンテーション用の資料はA4横向きまたはA3サイズが使われることもあります。PowerPointのスライドサイズを「16:9」で作成した場合、A4用紙に印刷すると上下に余白が生まれるため、レイアウトを調整する必要があります。
印刷範囲の設定も重要です。スライドの端に配置した要素が、印刷時に切れてしまうことがあるため、重要な情報は端から10mm以上内側に配置します。余白設定を確認し、プリンターの印刷可能領域内に収まっているかチェックします。
色の見え方の違い 画面で見る色(RGB)と、印刷された色(CMYK)は異なります。特に、鮮やかな青や緑は、印刷すると暗く沈んだ色になることがあります。重要な資料の場合は、事前にテスト印刷を行い、色の見え方を確認することをおすすめします。
薄い色は、画面上では見えても、印刷するとほとんど見えなくなることがあります。特に、淡いグレーや薄い黄色は要注意です。印刷を前提とした資料では、コントラストを強めに設定し、はっきりした色を選びましょう。
白黒印刷を考慮する場合は、色だけで情報を区別せず、パターンや形状でも区別できるようにします。グラフの凡例は、色だけでなく、線の種類(実線、破線、点線)や形状(丸、四角、三角)を組み合わせることで、白黒でも判別可能になります。
余白設定の調整 印刷時には、ページ番号や資料のタイトルをヘッダーやフッターに入れることがあります。これらの情報を追加するスペースを考慮し、本文の余白を調整します。綴じ代が必要な場合は、左側(または上側)に追加の余白を設けます。
両面印刷する場合は、裏面に透けて見える可能性があるため、背景色を使用する際は薄めの色を選ぶか、背景なしのデザインを検討します。用紙の種類(普通紙、上質紙、コート紙など)によっても印刷品質が変わるため、重要な資料は上質紙の使用を検討しましょう。
印刷部数が多い場合は、印刷コストも考慮します。カラー印刷は白黒印刷よりも高コストなため、コストと効果のバランスを考え、必要に応じて白黒印刷用のバージョンも用意します。
営業資料のデザインに関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。これらの疑問を解消することで、より効果的な資料作成が可能になります。
- デザインスキルがなくても作れますか?
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はい、デザインスキルがなくても、プロフェッショナルな営業資料を作成することは十分可能です。本記事で紹介した基本原則(シンプルさ、統一感、視認性)を守り、テンプレートを活用することで、初心者でも高品質な資料が作成できます。
特に、CanvaやPowerPointのテンプレート機能を使用すれば、デザイナーが作成したレイアウトをベースに、自社の情報を入れ替えるだけで完成します。色やフォントの選択に迷った場合は、テンプレートの配色をそのまま使用するか、自社のブランドカラーに置き換えるだけで統一感が生まれます。
デザインスキルを向上させたい場合は、優れた営業資料のサンプルを数多く見ることが効果的です。競合他社や業界リーダーの資料を分析し、どのようなレイアウト、配色、フォントが使われているかを研究しましょう。また、デザインの基礎を学べるオンライン講座(Udemy、Schooなど)を受講することで、短期間でスキルアップできます。
最初は完璧を目指さず、基本原則を守った資料を作成し、周囲からフィードバックをもらいながら改善していくアプローチがおすすめです。作成回数を重ねるごとに、自然とデザイン感覚が身につきます。どうしても困難な場合は、重要な資料だけ外注し、その成果物を参考に自社のテンプレートを改善する方法も有効です。
- 作成時間の目安はどのくらいですか?
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営業資料の作成時間は、資料の種類、ページ数、内容の複雑さによって大きく異なります。一般的な目安として、以下を参考にしてください。
初めて作成する場合(テンプレートなし) 10〜20ページの基本的な営業資料で、8〜16時間程度かかります。これには、構成の検討、コンテンツの作成、デザイン作業、校正が含まれます。グラフや図解を多用する場合は、さらに時間がかかることもあります。
テンプレートを使用する場合 既存のテンプレートがあれば、作成時間は大幅に短縮されます。10〜20ページの資料で、3〜6時間程度が目安です。自社の情報を入れ替え、グラフや図表を更新するだけで完成するため、効率的です。
既存資料の更新の場合 既存の営業資料を更新する場合は、変更箇所によりますが、1〜3時間程度で完了します。数値の更新や軽微な修正であれば、30分〜1時間で対応できます。
作成時間を短縮するコツとしては、事前に構成とメッセージを明確にし、いきなりデザイン作業に入らないことです。アウトラインを作成してから資料作成に取りかかることで、手戻りが減ります。また、画像やグラフなどの素材を事前に準備し、資料作成中に素材を探す時間を削減します。
ショートカットキーの活用、コンポーネントのライブラリ化、よく使う図形やレイアウトの登録など、作業効率化のテクニックを実践することで、作成時間を30〜50%削減できます。チームで作業を分担し、コンテンツ作成とデザイン作業を並行して進めることも効果的です。
- 外注する場合の相場は?
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営業資料の制作を外注する場合、費用は制作会社やフリーランスのレベル、資料の種類、ページ数によって大きく異なります。一般的な相場は以下の通りです。
クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークスなど) 個人のフリーランサーに依頼する場合、10〜20ページの基本的な営業資料で3万円〜8万円程度が相場です。経験が浅いデザイナーであれば1万円〜3万円で依頼できることもありますが、品質にばらつきがあるため、ポートフォリオを確認し、評価の高い人を選ぶことが重要です。
中小規模の制作会社 デザイン会社や広告代理店に依頼する場合、10〜20ページの資料で8万円〜20万円程度が相場です。ヒアリング、企画、デザイン、修正対応が含まれ、プロフェッショナルな仕上がりが期待できます。業界知識や営業資料の制作実績が豊富な会社を選ぶと、より効果的な資料が完成します。
大手制作会社・コンサルティングファーム ブランディングや戦略立案から含めた高度な資料制作を依頼する場合、30万円〜100万円以上かかることもあります。大型案件の提案書や、企業の中核となる営業資料を作成する場合に適しています。
追加費用の考慮 基本料金に加えて、修正回数が規定を超える場合の追加費用、急ぎ対応の割増料金、写真撮影や動画制作などの追加素材の費用も考慮する必要があります。見積もりを取得する際は、何回まで修正可能か、納期はどれくらいか、著作権の扱いはどうなるかを明確に確認しましょう。
費用対効果を考えると、重要度の高い資料(大型案件の提案書、企業の顔となる会社案内など)は外注し、定期的に更新が必要な資料や社内向けの資料は内製するのが効率的です。外注で作成した資料をテンプレート化し、以降は内製で更新する方法も有効です。
- 既存資料のリデザインは可能ですか?
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はい、既存の営業資料をリデザインすることは十分可能で、多くの企業が定期的にリデザインを行っています。古い資料を現代的なデザインに刷新することで、企業イメージの向上と営業効果の改善が期待できます。
既存資料のリデザインが必要なサインとしては、資料が3年以上更新されておらず、デザインが古臭く見える場合、コーポレートサイトやパンフレットのデザインと統一感がない場合、競合他社の資料と比較して見劣りする場合、営業担当者から「資料が使いにくい」というフィードバックがある場合などが挙げられます。
リデザインの進め方としては、まず現在の資料の問題点を洗い出します。営業担当者や顧客からフィードバックを収集し、何が不足しているか、どこが分かりにくいかを明確にします。次に、最新のブランドガイドライン、コーポレートカラー、ロゴを確認し、資料全体を統一します。
コンテンツの見直しも重要です。古い情報を更新し、不要なページを削除し、新しい事例や実績を追加します。デザインの改善では、本記事で紹介した基本原則(シンプルさ、統一感、視認性)に基づき、フォント、カラー、レイアウトを刷新します。
リデザインは、全ページを一度に行う必要はありません。まず重要度の高いページ(表紙、サービス概要、料金表など)から着手し、段階的に改善していく方法も効果的です。リデザイン後は、営業担当者にテスト使用してもらい、フィードバックを反映してさらに改善します。
既存のPowerPointファイルがある場合は、それをベースに作業できるため、ゼロから作成するよりも時間とコストを削減できます。PDFしかない場合でも、テキストや画像を抽出し、新しいレイアウトで再構成することは可能です。
- 動画を埋め込むことはできますか?
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はい、現代の営業資料では、動画を埋め込むことが一般的になっています。製品デモ、お客様の声、会社紹介など、動画を活用することで、より魅力的で記憶に残る資料が作成できます。
PowerPointでの動画埋め込みは、「挿入」→「ビデオ」から、ローカルファイルまたはオンライン動画を挿入できます。ローカルファイルを埋め込む場合、動画ファイルを資料に内包するか、外部ファイルとしてリンクするか選択できます。内包する場合はファイルサイズが大きくなりますが、配布時に動画ファイルを別途送る必要がありません。
YouTube動画を埋め込む場合は、URLを貼り付けるだけで、プレゼンテーション中に再生できます。インターネット接続が必要ですが、ファイルサイズを抑えられるメリットがあります。動画の再生開始タイミングは、クリック時または自動再生から選択できます。
PDFでの動画埋め込みも可能ですが、閲覧環境によっては再生できない場合があります。Adobe Acrobat Proを使用すれば、動画やオーディオを埋め込めますが、一般的なPDFビューアーでは対応していないことが多いです。
Canvaでは、動画を挿入し、プレゼンテーションモードで再生できます。ただし、PDFやPowerPointとしてダウンロードする場合、動画は静止画として扱われるため、動画機能を活かすにはCanvaのリンクを共有する必要があります。
動画を活用する際の注意点としては、動画の長さは30秒〜2分程度に抑え、要点を簡潔に伝えることです。長すぎる動画は、プレゼンテーションのリズムを崩します。また、音声が含まれる場合は、字幕を追加することで、音声が出せない環境でも内容が理解できるようにします。
ファイルサイズを考慮し、高解像度すぎる動画は避け、1080p(Full HD)または720p(HD)程度に圧縮します。動画が再生されない場合のバックアッププランとして、動画のサムネイル画像に代替テキストや説明を添えておくことも重要です。
営業資料のデザインは、商談の成否を大きく左右する重要な要素です。本記事では、初心者の方でもプロフェッショナルな資料を作成できるよう、基本原則から実践テクニックまで網羅的に解説しました。
基本原則の再確認 営業資料デザインの3つの基本原則、「シンプルさ」「統一感」「視認性」を常に意識しましょう。1ページ1メッセージを徹底し、フォントは2種類以内、カラーは5色以内に抑えることで、統一感のある資料が完成します。文字サイズは最低18pt以上を確保し、適切な余白とコントラストで視認性を高めます。
今日から実践できるポイント すぐに実践できる改善ポイントとして、既存の営業資料を本記事のチェックリストで確認し、NG例に該当する箇所を修正しましょう。無料のテンプレート(Canva、PowerPointなど)を活用し、ゼロから作成する手間を省きます。数値データは必ずグラフ化し、複雑な概念は図解で表現することで、理解度を向上させます。
継続的な改善の重要性 営業資料は、一度作成して終わりではなく、継続的に改善していくことが重要です。営業担当者や顧客からのフィードバックを収集し、どのページが効果的だったか、どこが分かりにくかったかを分析します。競合他社の資料や業界のトレンドも定期的にチェックし、自社の資料に反映させます。
成約率や商談の進捗状況を追跡し、資料のデザイン変更による効果を測定することで、データに基づいた改善が可能になります。A/Bテストの手法を取り入れ、異なるデザインパターンを試してみることも効果的です。
次のステップへの案内 営業資料のデザインスキルをさらに向上させたい方は、デザインの基礎を学ぶオンライン講座を受講したり、優れた資料のサンプルを数多く分析したりすることをおすすめします。社内でデザインガイドラインを策定し、全ての営業資料で統一されたブランドイメージを保つことも、長期的な企業価値の向上につながります。
重要な資料や時間が限られている場合は、プロのデザイナーへの外注も検討しましょう。その際は、本記事で紹介したポイントを理解した上で発注することで、より的確な要求を伝えられます。
営業資料のデザイン改善は、成約率の向上、企業イメージの向上、営業活動の効率化など、多くのメリットをもたらします。本記事で学んだ知識を実践し、顧客の心を動かす魅力的な営業資料を作成してください。今日から始められる小さな改善の積み重ねが、大きな成果につながります。
