BtoBリード獲得の全施策12選|オンライン・オフライン別の実践手法と成功の組み合わせ方

BtoBマーケティングにおいて、「リードをどう獲得すればいいのか」「オンラインとオフライン、どの施策を選ぶべきか」と悩んでいませんか。

リード獲得は売上拡大の起点となる重要なプロセスですが、施策の選択肢が多く、自社に最適な手法を見極めるのは簡単ではありません。

本記事では、BtoBリード獲得に有効な12の施策をオンライン・オフライン別に解説し、効果的な組み合わせ方から成功のポイントまで、実践的なノウハウをお伝えします。

この記事を読めば、自社の状況に合わせた最適なリード獲得戦略を設計できるようになります。

さっそく、BtoBリード獲得の基本から具体的な施策まで、順を追って見ていきましょう。


BtoBリード獲得とは?基本の考え方

BtoBリード獲得とは、自社の製品やサービスに関心を持つ見込み顧客の情報を収集するプロセスです。具体的には、会社名、担当者名、部署、役職、メールアドレスなどの情報を取得し、将来の商談や受注につなげることを目的としています。

リード獲得で取得する主な情報

  • 会社名
  • 担当者名
  • 部署・役職
  • メールアドレス
  • 電話番号
  • 業種・従業員規模
  • 具体的な課題やニーズ

リード獲得が重要な理由は、BtoB取引では検討期間が長く、複数の意思決定者が関与するためです。早期に見込み顧客と接点を持ち、継続的に情報提供することで、競合他社よりも優位な立場で商談を進めることができます。

BtoBにおける検討プロセスの3つの特性

1. 意思決定に時間がかかる 数ヶ月から1年以上の検討期間が一般的です。高額な投資や業務フローの変更を伴うため、慎重な比較検討が行われます。

2. 複数の関係者が関与 担当者、管理職、経営層など、複数の承認が必要です。それぞれの立場で異なる視点から評価されます。

3. 論理的な判断が重視される ROIや費用対効果など、データに基づいた判断が求められます。感情的な購買よりも、客観的な根拠が重視されます。

オンライン・オフライン施策を組み合わせる理由

施策タイプ強み適した場面
オンライン・幅広いリーチ
・継続的な情報発信
・低コストでスケール可能
・認知拡大
・情報収集段階
・母数の確保
オフライン・信頼関係の構築
・短期的な商談化
・深いヒアリング
・比較検討段階
・意思決定段階
・質の向上

顧客の購買ステージによって効果的なアプローチが異なるため、両者を戦略的に組み合わせることで、母数の確保と質の向上を同時に実現できます。


BtoBリード獲得|6つの主要オンライン施策

オンライン施策は、時間や場所の制約を受けずに幅広い見込み顧客にアプローチできる点が最大の強みです。ここでは、BtoBリード獲得に効果的な6つのオンライン施策を詳しく解説します。

【オンライン施策一覧】

1. ホワイトペーパー(資料DL)
   └ 課題解決型コンテンツで情報取得

2. ウェビナー・オンラインセミナー
   └ 双方向コミュニケーションで関係構築

3. オウンドメディア・コンテンツSEO
   └ 検索エンジンから継続的に集客

4. Web広告
   └ 短期間で大量リーチ

5. SNS・ソーシャルセリング
   └ 日常的な接点で信頼醸成

6. メールマーケティング
   └ 継続的なナーチャリング

ホワイトペーパー(資料DL)によるリード獲得

ホワイトペーパーは、BtoBリード獲得の王道施策です。業界の課題整理、導入事例、ノウハウをまとめたPDF資料と引き換えに、会社名・役職・メールアドレスなどの情報を取得します。

効果的なホワイトペーパーのテーマ例

  • 「〇〇を30%改善する5つの方法」
  • 「中小企業向け〇〇導入チェックリスト」
  • 「業界別〇〇活用事例集」
  • 「失敗しない〇〇選定ガイド」
  • 「2025年版〇〇トレンドレポート」

フォーム項目の最適化

必須項目(5〜7項目が理想)

項目目的
会社名企業規模・業種の判断
業種ターゲット適合性の確認
従業員規模予算感の推測
役職決裁権の有無判断
氏名パーソナライズ対応
メールアドレスフォローアップ
電話番号(任意)高温度感リードへの架電

MA連携によるスコアリング設計

【行動ベースのスコア配分例】

ホワイトペーパーDL    → 20点
メール開封           → 5点
メール内リンククリック → 10点
料金ページ閲覧       → 30点
2つ目の資料DL        → 40点(累計60点)
ウェビナー申込       → 50点

→ 合計100点以上でホットリード判定

ウェビナー・オンラインセミナーの活用法

ウェビナーは、ZoomやTeamsなどを使ってオンラインで開催するセミナー形式のリード獲得施策です。参加者は事前登録フォームに情報を入力するため、質の高いリード情報を取得できます。

ウェビナー実施の流れ(開催3週間前スケジュール)

【3週間前】
- テーマ決定・講師選定
- ランディングページ作成
- 告知開始(メール・SNS・広告)

【2週間前】
- 申込者へサンクスメール送信
- リマインドメール設定

【1週間前】
- 第1回リマインドメール
- 資料準備・リハーサル

【前日】
- 第2回リマインドメール(参加URL再送)

【当日】
- ウェビナー実施
- アンケート実施

【翌日〜3日以内】
- サンクスメール+録画URL送付
- ホットリードへ架電開始

申込・参加・アンケートのスコアリング手法

行動スコア温度感対応
申込のみ10点メールナーチャリング
参加(途中退出)20点1週間後フォローメール
最後まで参加30点中〜高3日以内フォローメール
アンケート回答+20点48時間以内架電
個別相談希望+50点最高24時間以内架電

インサイドセールスへの引き継ぎフロー

ホットリード(合計50点以上)の引き継ぎプロセス

  1. ウェビナー終了後、自動でインサイドセールスへ通知
  2. 過去の行動履歴(閲覧ページ、DL資料)を共有
  3. アンケート内容を確認(課題・導入時期・予算感)
  4. 24時間以内に架電し、課題ヒアリング
  5. デモ・商談のアポイント取得

オウンドメディア・コンテンツSEOでの継続的リード創出

オウンドメディアは、自社で運営するWebメディアで継続的に記事を発信し、検索エンジン経由でリードを獲得する施策です。即効性は低いものの、一度上位表示されれば継続的にリードを生み出す資産となります。

キーワード設計の3つのカテゴリ

1. 指名系キーワード

  • 「〇〇(製品名) 評判」
  • 「〇〇(製品名) 料金」
  • 「〇〇(製品名) 使い方」 → 既に自社を認知している層向け

2. 比較系キーワード

  • 「営業支援ツール 比較」
  • 「MAツール おすすめ」
  • 「CRM 選び方」 → 比較検討段階の層向け

3. 課題系キーワード

  • 「営業効率化 方法」
  • 「見込み顧客 管理」
  • 「リード獲得 施策」 → 課題認識段階の層向け

記事末尾CTAの設置パターン

┌─────────────────────┐
│  記事本文(課題解決)      │
│                           │
│  【CTA①】               │
│  関連資料の無料DL         │
│  └→ホワイトペーパー      │
│                           │
│  記事続き                 │
│                           │
│  【CTA②】               │
│  次回ウェビナーのご案内    │
│  └→事前登録フォーム      │
│                           │
│  【CTA③】               │
│  無料相談・デモ予約        │
│  └→カレンダー予約        │
└─────────────────────┘

リード転換率を高める導線設計のポイント

  • ①記事の質を最優先: 課題を確実に解決する内容
  • ②CTAは2〜3箇所: 記事中盤と末尾に配置
  • ③具体的なベネフィット明示: 「5分でわかる〇〇」
  • ④フォーム項目は最小限: 3〜5項目に絞る
  • ⑤サンクスページで次の導線: ウェビナーや他資料を案内

Web広告を使った即効性のあるリード獲得

Web広告は、予算を投下すれば短期間でリードを獲得できる即効性の高い施策です。SEOのように上位表示を待つ必要がなく、ターゲット企業へ直接アプローチできます。

Web広告の種類と使い分け

広告タイプ特徴適した場面平均CPL
リスティング広告検索キーワードに連動ニーズ顕在層の獲得5,000〜15,000円
ディスプレイ広告Webサイトの広告枠認知拡大・リマーケティング3,000〜10,000円
SNS広告Facebook・LinkedIn役職・業種でターゲティング5,000〜20,000円
比較サイト広告ITreview・ボクシル比較検討層への露出10,000〜30,000円

LP設計とオファーの作り方

効果的なオファーの階段構造

【ハードル高】
    ↑
有料契約
    ↑
無料トライアル(要導入)
    ↑
デモ・個別相談(要商談)
    ↑
ウェビナー参加(要時間)
    ↑
資料ダウンロード(低ハードル)
    ↓
【ハードル低】

初回接点では「資料DL」「ウェビナー」など低ハードルなオファーから始めることで、CV率が2〜3倍改善します。

CV後のフォロー体制構築

リード獲得後72時間のゴールデンタイム

タイミングアクション内容
即時サンクスメール自動送信資料添付・次ステップ案内
1時間以内MAでスコア計算ホットリード判定
24時間以内インサイドセールス架電高スコアリード優先
3日以内フォローメール送信事例紹介・ウェビナー案内
1週間後2回目フォロー個別相談の提案

SNS・ソーシャルセリングによる関係構築型アプローチ

SNS・ソーシャルセリングは、X(旧Twitter)、LinkedIn、Facebookなどで継続的に情報発信し、フォロワーとの関係構築を通じてリード獲得を目指す施策です。

プラットフォーム別の活用法

X(旧Twitter)

  • 特徴: リアルタイム性、拡散力
  • 投稿内容: 業界ニュース解説、ノウハウのtips
  • 投稿頻度: 1日2〜3回
  • リード獲得: プロフィールリンクから資料DL

LinkedIn

  • 特徴: ビジネス層が多い、専門性重視
  • 投稿内容: 導入事例、業界分析レポート
  • 投稿頻度: 週3〜5回
  • リード獲得: 記事内CTAから直接問い合わせ

Facebook

  • 特徴: 広告機能が充実、コミュニティ形成
  • 投稿内容: ウェビナー告知、企業文化発信
  • 投稿頻度: 週2〜3回
  • リード獲得: リード獲得広告で直接フォーム

営業個人アカウントでの情報発信

ソーシャルセリングの4ステップ

Step 1: プロフィール最適化
「〇〇社で△△を担当|業界の課題解決を支援」

Step 2: 有益な情報発信(週3〜5回)
・業界トレンド解説
・自社事例の裏側
・顧客の成功事例

Step 3: エンゲージメント構築
・フォロワーの投稿にコメント
・DMでの質問に丁寧に回答
・オンラインイベント参加

Step 4: 自然な商談化
・「詳しくお話ししましょうか」
・「オンラインで30分お時間いただけますか」

DMやコメントからの商談化手法

NGな売り込み例
❌ 「弊社サービスをご紹介させてください」
❌ 「資料を送付しますので、ぜひご検討ください」

効果的なアプローチ例
✅ 「〇〇についてお困りとのことですが、弊社でも同じ課題を持つ企業様をご支援した事例があります。よろしければ簡単にお話しできますか?」
✅ 「△△の件、もう少し詳しく伺えれば具体的なアドバイスができるかもしれません。一度オンラインでお話ししませんか?」

メールマーケティング・メルマガ登録の設計

メールマーケティングは、継続的にメールを配信して見込み顧客との関係を維持し、最終的にリード獲得や商談化につなげる施策です。

登録導線の最適化

サイト内設置箇所

トップページ
├─ ヘッダー(固定表示)
├─ ファーストビュー下
└─ フッター

記事ページ
├─ 記事中盤(スクロール50%地点)
├─ 記事末尾
└─ サイドバー(追従型)

LPページ
└─ 複数箇所に設置

登録率を高めるコピー例

  • 「業界の最新トレンドを週1回、5分で読めるニュースレター」
  • 「実践的なノウハウを月2回お届け|3,000社が購読中」
  • 「登録特典:導入事例集PDFを無料プレゼント」

行動別トリガーメールの種類

トリガー配信タイミングメール内容目的
ダウンロード完了即時資料添付・サンクス関係構築
サイト再訪問訪問から1時間以内閲覧ページに関連する情報興味喚起
料金ページ閲覧閲覧から24時間以内価格表・ROI計算ツール比較検討支援
メール未開封配信から3日後件名変更して再送リーチ向上
休眠リード最終接触から3ヶ月後新機能・事例紹介再活性化

ナーチャリングシナリオの組み方

7日間育成シナリオ例

Day 1: ウェルカムメール
「ご登録ありがとうございます|まずはこちらの資料をご覧ください」

Day 3: 課題共感メール
「多くの企業が抱える〇〇の課題、御社でも同じ悩みはありませんか?」

Day 5: 事例紹介メール
「同業他社A社は、こうやって課題を解決しました」

Day 7: ウェビナー案内メール
「さらに詳しく知りたい方へ|無料ウェビナーのご案内」

Day 10以降: 週1回の定期配信
業界ニュース、ノウハウ記事、新着事例など

BtoBリード獲得|6つの主要オフライン施策

オフライン施策は、対面でのコミュニケーションを通じて信頼関係を構築し、短期間で商談化しやすい点が強みです。ここでは、BtoBリード獲得に効果的な6つのオフライン施策を解説します。

【オフライン施策一覧】

7. 展示会・カンファレンス出展
   └ 大量の名刺獲得

8. 自社セミナー(オフライン)
   └ 濃密な関係構築

9. テレアポ・インサイドセールス
   └ 直接対話で温度感把握

10. DM(郵送物)・パンフレット
    └ 物理的な存在感

11. 展示会・イベントでの名刺交換
    └ 能動的なネットワーキング

12. パートナー・紹介スキーム
    └ 信頼の連鎖

展示会・カンファレンス出展での大量獲得

展示会・カンファレンスは、業界の見込み顧客が一堂に会する貴重な機会であり、1日で数百件のリードを獲得できる効率的な施策です。

ブース設計の基本要素

┌──────────────────┐
│  キャッチコピー(大)    │  ← 5m先から見える
├──────────────────┤
│  製品デモスペース        │  ← 体験できる
├──────────────────┤
│  商談テーブル×2         │  ← 座って話せる
├──────────────────┤
│  ノベルティコーナー      │  ← 立ち寄りやすい
└──────────────────┘

簡易ヒアリングシート

項目選択肢スコア
導入時期すぐ/3ヶ月以内/半年以内/1年以内/未定A〜E
予算確保済み/検討中/未定A〜C
決裁権ある/ない/わからないA〜C
競合検討している/していないA〜B
課題の深刻度高/中/低A〜C

総合評価: A(最優先)、B(優先)、C(通常)

会期後フォロー体制

展示会終了後48時間のアクションプラン

時間アクション対象
当日夜名刺データ化・CRM登録全員
翌日午前サンクスメール一斉送信全員
翌日午後Aランクリードへ架電開始最優先層
2日目Bランクリードへ架電開始優先層
3日目Cランクリードへフォローメール通常層
1週間後未接続リードへ再架電全体

自社セミナー(オフライン)開催のポイント

自社セミナーは、会議室や貸会議室で少人数のリアルセミナーを開催し、参加者から直接リード情報を取得する施策です。ウェビナーより参加ハードルは高いものの、対面での関係構築により商談化率が高い特徴があります。

会場選定のチェックリスト

立地条件

  • 主要駅から徒歩5分以内
  • 複数路線が利用可能
  • 分かりやすい場所(ランドマークビル)

設備条件

  • プロジェクター・スクリーン
  • マイク・音響設備
  • Wi-Fi環境
  • 受付スペース

定員設定

  • 20〜30名: 質疑応答しやすい
  • 50〜100名: スケールメリット
  • ※申込は定員の1.5倍を目標(キャンセル考慮)

アンケート設計と情報取得

効果的なアンケート項目

【基本情報】
□ 会社名
□ 部署・役職
□ メールアドレス

【満足度】
□ 本日のセミナーは参考になりましたか?
  (5段階評価)

【具体的課題】
□ 現在、どのような課題を抱えていますか?
  (自由記述)

【導入意向】
□ 導入検討時期は?
  ・すぐに検討したい
  ・3ヶ月以内
  ・半年以内
  ・1年以内
  ・予定なし

【次のアクション】
□ 個別相談を希望しますか?
  ・はい(後日連絡)
  ・はい(本日希望)
  ・いいえ

個別相談会・懇親会での案件化フロー

セミナー終了
    ↓
個別相談タイム(30分×6枠)
    ↓
【即日商談化の流れ】
1. 具体的な課題ヒアリング(10分)
2. 自社ソリューションの提案(10分)
3. 次回訪問アポイント取得(10分)
    ↓
懇親会(60分)
├─ 名刺交換
├─ 本音の課題聞き出し
└─ 決裁フローの確認
    ↓
後日フォロー

テレアポ・インサイドセールスの効率化

テレアポ・インサイドセールスは、電話でのアプローチによりリードを獲得し、オンライン商談へつなげる施策です。直接会話できるため、相手の温度感をリアルタイムで把握できる利点があります。

対象リストの優先順位付け

架電優先度マトリクス

優先度対象タイミング期待接続率
最優先ウェビナー参加者(7日以内)参加翌日40〜60%
優先資料DL者(7日以内)DL後24時間30〜50%
通常サイト訪問履歴あり訪問後1週間20〜30%
展示会名刺(1ヶ月以内)展示会後3日15〜25%
最低新規リスト随時5〜15%

アポ・デモ接続率を上げるトークスクリプト

Opening(最初の15秒が勝負)

❌NG例:
「お世話になります。〇〇社の△△と申します。
本日は弊社サービスのご案内でお電話いたしました。」

✅Good例:
「お世話になります。〇〇社の△△と申します。
先日、弊社の『営業効率化ガイド』をダウンロード
いただきましてありがとうございました。
資料はご覧いただけましたでしょうか?」

Hearing(課題の深掘り)

質問例:
・「どのような背景で資料をお探しだったのですか?」
・「現在、〇〇についてお困りのことはありますか?」
・「他社のツールは検討されていますか?」

Closing(アポイント打診)

✅効果的なクロージング:
「そうしますと、一度画面を共有しながら
具体的な活用イメージをお見せした方が
早いかもしれません。

来週でしたら、〇日の14時か、△日の10時で
30分ほどお時間いただけますでしょうか?」

DM(郵送物)・パンフレット送付の活用法

DM(ダイレクトメール)は、ターゲット企業へ紙の資料やパンフレットを郵送し、同封のQRコードや専用URLから問い合わせを促す施策です。デジタル接点が飽和している現代だからこそ、紙DMの開封率・想起率が見直されています。

ターゲティングと送付リスト作成

セグメント例

セグメント条件送付数期待反応率
最優先層過去問い合わせあり・未成約100社5〜10%
優先層展示会名刺・未フォロー300社2〜5%
ターゲット層業種・規模が合致1,000社0.5〜2%

リスト入手方法

  • 帝国データバンク・東京商工リサーチ
  • 業界団体の会員名簿
  • 自社の既存顧客リスト
  • 展示会で獲得した名刺

DM構成要素

┌────────────────────┐
│ 【封筒】               │
│ ・手書き風の宛名        │
│ ・「重要」「社長様へ」  │
└────────────────────┘
        ↓開封
┌────────────────────┐
│ 【手紙】               │
│ ・パーソナライズ挨拶    │
│ ・簡潔なベネフィット    │
│ ・QRコード            │
├────────────────────┤
│ 【カタログ・事例集】    │
│ ・ビジュアル重視        │
│ ・具体的な数字          │
├────────────────────┤
│ 【返信用はがき】        │
│ ・無料相談申込          │
│ ・資料請求              │
└────────────────────┘

デジタル飽和時代における紙DMの強み

メールvs紙DMの比較

指標メール紙DM
開封率5〜20%50〜80%
熟読率低い高い
記憶定着低い高い
決裁者到達率低い高い
コスト
スピード即時3〜5日

紙DMが特に有効なケース

  • 経営層・意思決定者へのアプローチ
  • 高単価商材(数百万円以上)
  • メールが埋もれやすい業界
  • 競合との差別化が必要

展示会・イベントでの名刺交換活用術

展示会・イベントでの名刺交換は、自社ブース以外でも積極的にネットワーキングを行い、リードを獲得する施策です。他社主催のイベントや交流会でも、営業・マーケ担当が能動的に動くことで新規リードを開拓できます。

効果的な名刺交換の5ステップ

Step 1: アイスブレイク
「本日はどちらからいらっしゃったんですか?」

Step 2: 仕事内容の確認
「どのようなお仕事をされているんですか?」

Step 3: 課題のヒアリング
「〇〇については、何か課題を感じていますか?」

Step 4: 共感と提案
「実は弊社でも同じ課題を持つ企業様を
ご支援しています」

Step 5: 次のアクション
「よろしければ後日、詳しくお話しさせて
いただけませんか?」

名刺の裏面メモ項目

【メモする内容】
┌──────────────┐
│ ・会話した日時・場所   │
│ ・抱えている課題      │
│ ・興味を示したこと    │
│ ・決裁権の有無       │
│ ・競合検討状況       │
│ ・フォロー希望時期   │
│ ・印象・雰囲気       │
└──────────────┘

例:
「3/15 ABC展示会にて
営業効率化に課題
半年以内に導入検討
上司と相談必要
来週メール送付OK」

CRM/MAへの即時登録フロー

デジタル化の3つの方法

  1. 名刺管理アプリ(おすすめ)
    • Sansan、Eight、CamCard
    • その場でスキャン→即CRM連携
  2. スマホカメラ
    • 写真撮影→後でデータ化
    • メモ内容も一緒に撮影
  3. 展示会後に一括スキャン
    • スキャナで高速処理
    • OCRで自動データ化

登録後のセグメント分け

セグメント条件フォロー頻度
Sランクすぐ導入検討24時間以内架電
Aランク3ヶ月以内検討1週間に1回
Bランク情報収集段階2週間に1回
Cランク将来的な見込み月1回

パートナー・紹介スキームの構築

パートナー・紹介スキームは、代理店・コンサルティング会社・システムベンダーなどと提携し、顧客を紹介してもらうリード獲得モデルです。パートナーの既存顧客基盤を活用できるため、信頼度の高いリードを安定的に獲得できます。

パートナー選定マトリクス

【選定軸】
           高
           ↑
    シナジー
           |
  ◎最優先 | ○優先
  ─────┼─────
  △検討  | ×対象外
           |
           ↓
           低
       低 ← 信頼性 → 高

理想的なパートナー例

自社事業理想的なパートナー
営業支援ツール営業コンサル、人材紹介会社
会計ソフト税理士事務所、会計事務所
セキュリティツールITコンサル、システムベンダー
人事システム社労士事務所、人事コンサル

紹介料・リベニューシェアの設定

報酬体系の3パターン

方式内容メリットデメリット
固定報酬1件あたり5〜20万円シンプル、予測しやすい継続収入なし
初回売上の%初回契約額の20〜30%高額案件ほど高収入単発で終わる
継続シェア月額の10〜30%を継続長期的なWin-Win管理が複雑

SaaS企業の一般的な設定例

月額10万円のサービスの場合

Option A: 固定報酬型
└ 成約1件につき15万円

Option B: 継続シェア型
└ 月額の20%(2万円)×契約期間
  ※12ヶ月契約なら総額24万円

Option C: ハイブリッド型
└ 初回5万円+月額の10%×12ヶ月
  ※総額17万円

共催セミナー・共同コンテンツの展開

共催ウェビナーの成功パターン

┌─────────────────┐
│  企画フェーズ           │
├─────────────────┤
│ ・テーマ共同決定        │
│ ・役割分担(集客・講演)│
│ ・費用分担の明確化      │
├─────────────────┤
│  集客フェーズ           │
├─────────────────┤
│ 両社の顧客リストへ案内  │
│ ・A社: 500名リーチ      │
│ ・B社: 300名リーチ      │
│ → 合計800名へアプローチ │
├─────────────────┤
│  実施フェーズ           │
├─────────────────┤
│ ・A社: 業界トレンド解説 │
│ ・B社: 実践事例紹介     │
│ ・Q&A: 両社で対応       │
├─────────────────┤
│  フォローフェーズ       │
├─────────────────┤
│ リードを両社でシェア    │
│ ・温度感に応じて分配    │
│ ・相互に案件紹介        │
└─────────────────┘

共同ホワイトペーパーのテーマ例

  • 「〇〇×△△で実現する業務効率化」
  • 「2025年版 業界課題解決ガイド」
  • 「成功事例から学ぶベストプラクティス」

オンライン・オフライン施策の効果的な組み合わせ方

オンラインとオフラインの施策は、それぞれ異なる強みを持ちます。両者を戦略的に組み合わせることで、リード獲得の量と質を同時に高めることができます。

オンライン vs オフラインの特性比較

要素オンラインオフライン
リーチ広範囲・無制限地域・人数に制限
コスト低〜中中〜高
スピード即座に展開可能準備に時間が必要
信頼構築時間がかかる短期間で可能
商談化率5〜15%20〜40%
データ取得詳細な行動履歴対面の温度感

基本の型:ホワイトペーパー+ウェビナー+Web広告

スタートアップ期の基本フロー

【月間リード獲得100件を目指す設計】

Step 1: ホワイトペーパー作成(3種類)
├─ 課題整理系
├─ 事例集系
└─ チェックリスト系

Step 2: Web広告で流入獲得
├─ リスティング広告: 月20万円
├─ Facebook広告: 月10万円
└─ → 月間DL数: 60件

Step 3: ウェビナー開催(月1回)
├─ DL者へメール案内
├─ SNSで告知
└─ → 月間参加者: 30名

Step 4: インサイドセールスフォロー
├─ ウェビナー参加者: 即架電
├─ 資料DL者: 1週間以内架電
└─ → 月間商談数: 15件

【予算配分】
広告費: 30万円/月
ツール: 5万円/月(MA・ウェビナー)
人件費: 別途
→ CPL: 3,500円

成長期:展示会・パートナーでブースト

規模拡大フェーズの戦略

【ベース施策】(継続)
コンテンツSEO: 月50件
Web広告: 月80件
ウェビナー: 月30件
─────────────
月間160件

【ブースト施策】(追加)
展示会(年3回): 1回200件 → 年600件
パートナー紹介: 月20件
─────────────
年間合計: 2,520件

【投資対効果】
ベース施策: 年間1,920件×3,000円 = 576万円
展示会: 600件×8,000円 = 480万円
パートナー: 240件×15,000円 = 360万円
─────────────
総予算: 1,416万円
総リード数: 2,760件
平均CPL: 5,130円

施策組み合わせのマトリクス

フェーズ主力施策補完施策予算配分
立ち上げ期<br>(〜50件/月)・コンテンツSEO
・SNS
・少額Web広告
・小規模セミナー
オンライン90%
オフライン10%
成長期<br>(50〜200件/月)・Web広告
・ウェビナー
・展示会(年2〜3回)
・テレアポ
オンライン70%
オフライン30%
拡大期<br>(200件〜/月)・展示会
・パートナー
・コンテンツSEO
・MA強化
オンライン50%
オフライン50%

業界・フェーズ別|最適な施策の選び方

企業のフェーズや業界特性によって、最適なリード獲得施策は異なります。自社の状況に合わせた施策選定が成功のカギとなります。

スタートアップ期(創業〜3年目)

特徴と制約

  • 予算: 月10〜30万円
  • 人員: 1〜2名
  • 認知度: ほぼゼロ

推奨施策ランキング

1位: コンテンツSEO ★★★★★
├─ 理由: 低予算、資産化
├─ 目標: 月10記事公開
└─ 期待: 半年後に月20件

2位: SNS発信 ★★★★☆
├─ 理由: 無料、拡散力
├─ 目標: 週5投稿
└─ 期待: 月5件

3位: 無料ウェビナー ★★★★☆
├─ 理由: 質の高いリード
├─ 目標: 月1回開催
└─ 期待: 月10件

4位: 小額Web広告 ★★★☆☆
├─ 理由: 即効性あり
├─ 予算: 月5〜10万円
└─ 期待: 月10〜15件

成長期(4年目〜)

特徴と制約

  • 予算: 月100〜300万円
  • 人員: 3〜5名
  • 認知度: 業界内で徐々に認知

推奨施策ランキング

1位: Web広告 ★★★★★
├─ 予算: 月50〜100万円
├─ 目標: CPL 5,000円以下
└─ 期待: 月100〜200件

2位: 展示会出展 ★★★★★
├─ 頻度: 年3〜5回
├─ 1回コスト: 100〜300万円
└─ 期待: 1回150〜300件

3位: ウェビナー ★★★★☆
├─ 頻度: 月2〜4回
├─ 有料化も検討
└─ 期待: 月50〜80件

4位: テレアポ ★★★★☆
├─ 専任1〜2名配置
├─ 目標: 日20架電
└─ 期待: 月30〜50件

成熟期(上場企業・大手)

特徴と制約

  • 予算: 月500万円以上
  • 人員: 10名以上
  • 認知度: 業界トップクラス

推奨施策ランキング

1位: パートナー連携 ★★★★★
├─ 質の高いリード
├─ 目標: 10社以上と提携
└─ 期待: 月100件以上

2位: 大型展示会 ★★★★★
├─ 主催者スポンサー枠
├─ 年間予算: 3,000万円
└─ 期待: 年間3,000件

3位: マスメディア ★★★★☆
├─ TVCM・交通広告
├─ 認知拡大重視
└─ リード獲得は副次的

4位: カスタマーマーケ ★★★★☆
├─ 既存顧客からの紹介
├─ 紹介プログラム設計
└─ 期待: 月50件

業界別の特性と推奨施策

業界特性推奨施策TOP3
IT・SaaSデジタルネイティブ1. コンテンツSEO
2. Web広告
3. ウェビナー
製造業対面重視・保守的1. 展示会
2. DM
3. パートナー
人材・HR関係構築重視1. セミナー
2. SNS
3. 紹介
金融・保険信頼性重視1. セミナー
2. ホワイトペーパー
3. パートナー
コンサル専門性アピール1. オウンドメディア
2. ウェビナー
3. 出版・講演

リード獲得後のナーチャリング設計

リードを獲得しただけでは成果にはつながりません。獲得したリードを育成し、商談化へつなげるナーチャリング設計が不可欠です。

MAツールを使ったスコアリング

属性スコア + 行動スコアの2軸評価

【属性スコア(最大50点)】
企業規模
├─ 1,000名以上: 20点
├─ 300〜999名: 15点
├─ 100〜299名: 10点
└─ 100名未満: 5点

役職
├─ 経営層: 20点
├─ 部長クラス: 15点
├─ 課長クラス: 10点
└─ 担当者: 5点

業種適合性
├─ ドンピシャ: 10点
├─ 近い: 5点
└─ 遠い: 0点

【行動スコア(加算式)】
メール開封: +5点
リンククリック: +10点
資料DL: +20点
料金ページ閲覧: +30点
ウェビナー申込: +40点
ウェビナー参加: +50点
問い合わせ: +100点

リードステージ管理

ステージ定義合計スコア対応部門アクション
Cold初回接触のみ0〜30点マーケメール配信
Warm複数接点あり31〜70点マーケウェビナー誘導
Hot高関心示す71〜99点IS架電・ヒアリング
Very Hot商談意欲あり100点〜営業即商談設定

ホットリードの判定基準

自動通知トリガー設定

以下のいずれかに該当したら
インサイドセールスへ即通知

✓ 合計スコアが100点以上
✓ 7日以内に3回以上サイト訪問
✓ 料金ページを3分以上閲覧
✓ 「導入事例」を3件以上閲覧
✓ ウェビナーで「すぐ検討」を選択
✓ 問い合わせフォーム送信
✓ 資料DL後24時間以内の再訪問

インサイドセールスへの引き継ぎルール

シームレスな連携フロー

【ホットリード発生】
    ↓
MAツールから自動通知
├─ Slackへアラート
├─ メールで詳細情報
└─ CRMに自動登録
    ↓
ISが24時間以内に確認
├─ 過去の行動履歴チェック
├─ DL資料の内容確認
└─ アンケート回答確認
    ↓
48時間以内に架電
├─ 1回目: 不在なら留守電
├─ 2回目: 時間帯変えて再架電
└─ 3回目: メール+架電予告
    ↓
接続後の流れ
├─ 課題ヒアリング(5分)
├─ 簡易ソリューション提案(3分)
└─ デモ・商談日程調整(2分)

ナーチャリングメールシナリオ例

14日間育成プログラム

Day件名内容目的
0ご登録ありがとうございますウェルカム・資料添付関係構築
3多くの企業が抱える〇〇の課題課題共感・統計データ課題認識
5A社の成功事例をご紹介具体的な導入効果解決イメージ
7無料ウェビナーのご案内次回セミナー情報関与度向上
10よくある質問TOP5FAQ・不安解消購買促進
14無料相談をご利用くださいCTA・個別対応商談化

H2: リード獲得施策の効果測定とPDCA

リード獲得施策を継続的に改善するには、適切なKPIを設定し、データに基づいたPDCAサイクルを回すことが重要です。

主要KPI4指標の計算式

【CPL(Cost Per Lead)】
リード獲得単価
= 総コスト ÷ 獲得リード数

例) 広告費30万円で60件獲得
→ CPL = 5,000円

【CVR(Conversion Rate)】
転換率
= CV数 ÷ 訪問数 × 100

例) 1,000訪問で30件CV
→ CVR = 3.0%

【商談化率】
= 商談数 ÷ リード数 × 100

例) 100リードから15商談
→ 商談化率 = 15%

【受注率】
= 受注数 ÷ 商談数 × 100

例) 15商談から3受注
→ 受注率 = 20%

施策別ROI分析ダッシュボード

施策月間コストリード数CPL商談化率受注数ROI
SEO10万円50件2,000円20%2件
Web広告50万円80件6,250円12%1.5件
ウェビナー15万円30件5,000円30%1.8件
展示会200万円200件10,000円25%10件
テレアポ30万円40件7,500円18%1.4件

改善サイクルの回し方

月次PDCAフレームワーク

【Plan(計画)】月初
├─ 前月の振り返り
├─ 今月の目標設定
├─ 予算配分の決定
└─ 新規施策の企画

【Do(実行)】月中
├─ 各施策の実施
├─ データの日次確認
└─ 小さな改善の実施

【Check(評価)】月末
├─ KPI達成度の確認
├─ 施策別の効果分析
├─ 課題の抽出
└─ ベストプラクティス共有

【Action(改善)】翌月へ
├─ 低ROI施策の見直し
├─ 高ROI施策への投資増
├─ 新しいテストの実施
└─ チーム体制の調整

改善ポイントのチェックリスト

CVRが低い場合

  • LPのファーストビューは明確か
  • フォーム項目は最小限か(5項目以下推奨)
  • オファーは魅力的か
  • ページの読込速度は適切か
  • モバイル表示は最適化されているか

CPLが高い場合

  • ターゲティングは適切か
  • キーワード選定は正しいか
  • クリエイティブは訴求力があるか
  • 競合との差別化はできているか
  • より低コストな施策はないか

商談化率が低い場合

  • リードの質は適切か
  • スコアリング基準は正しいか
  • フォロースピードは十分か(24時間以内)
  • ナーチャリングは機能しているか
  • ISのスキルは十分か

よくある質問

BtoB企業がリード獲得で最初に取り組むべき施策は何ですか?

最初に取り組むべきは、コンテンツSEOとホワイトペーパーの組み合わせです。理由は、低予算で始められ、資産として蓄積されるためです。

まず、ターゲット企業が検索する課題系キーワード(例:「営業効率化 方法」「在庫管理 システム 選び方」)を10〜20個リストアップし、それぞれに対して2,000〜3,000文字の記事を作成します。記事末尾に関連するホワイトペーパーのダウンロードボタンを設置し、リード情報を取得します。

この施策のメリットは、一度公開した記事が継続的にリードを生み出す点です。Web広告のように予算を止めたら流入がゼロになることはなく、長期的なリード獲得基盤となります。最初の3ヶ月は成果が出にくいですが、半年後には月間10〜30件のリードが安定的に獲得できるようになります。

次のステップとして、獲得したリードへのメールナーチャリングとインサイドセールスによるフォロー体制を整えます。オーガニック流入で獲得したリードは質が高い傾向にあるため、丁寧にフォローすることで商談化率を高められます。

オンライン施策とオフライン施策の予算配分はどうすべきですか?

予算配分は、企業のフェーズと目標によって変わります。一般的な目安として、スタートアップ期はオンライン80%・オフライン20%、成長期はオンライン60%・オフライン40%、成熟期はオンライン50%・オフライン50%が推奨されます。

スタートアップ期は予算が限られるため、オンライン施策中心で進めます。コンテンツSEO、SNS運用、少額のWeb広告でベースとなるリード獲得の仕組みを作ります。オフライン施策は、費用対効果の高い小規模セミナーから始めます。

成長期に入ったら、オフライン施策の比率を高めます。展示会出展やリアルセミナーへ積極的に投資し、大量のリードを獲得します。この段階では、オンラインで育成したリードをオフラインで刈り取るハイブリッド戦略が効果的です。

成熟期になると、両者のバランスを取りながら効率化を図ります。過去のデータをもとに、ROIの高い施策に予算を集中します。パートナー経由のリード獲得など、新しいチャネルの開拓にも投資します。

重要なのは、予算配分を固定せず、四半期ごとに見直すことです。各施策のCPLと商談化率を分析し、成果の出ている施策へ柔軟に予算を移動させることで、全体のROIを最大化できます。

リード獲得数は増えたのに商談化率が低い場合、どう改善すればいいですか?

商談化率が低い原因は、リードの質が低いか、ナーチャリング体制が不十分なケースがほとんどです。以下の3つのステップで改善します。

まず、リードの質を診断します。獲得したリードの属性(業種・規模・役職)が、ターゲットと一致しているか確認します。Web広告のターゲティングが広すぎる、または記事のキーワード選定がずれている可能性があります。ターゲティングを絞り込み、理想的な顧客像に合致するリードの獲得を優先します。

次に、スコアリング基準を見直します。MAツールのスコア設定が甘すぎると、温度感の低いリードまで営業に渡してしまいます。ホットリードの判定基準を厳しくし、本当に商談の見込みがあるリードだけをインサイドセールスへ引き継ぐようにします。

最後に、ナーチャリングシナリオを強化します。リード獲得直後から商談化まで、段階的にアプローチする仕組みを構築します。ダウンロード後のサンクスメール、3日後の事例紹介メール、1週間後のウェビナー案内、2週間後の架電というように、タイミングと内容を設計します。

また、インサイドセールスのトークスクリプトも見直します。いきなり製品説明をするのではなく、「資料をご覧いただいた背景を教えていただけますか」と相手の課題を引き出す質問から入ることで、商談化率が改善します。

小規模なBtoB企業でも展示会出展は効果がありますか?

小規模企業でも、戦略的に展示会を選べば十分に効果があります。ただし、大規模展示会への出展は費用対効果が合わないケースが多いため、中小規模の専門展示会を狙うのがポイントです。

効果を出すための3つのポイントがあります。まず、ターゲット層が多く来場する展示会を選びます。自社の製品・サービスに関連する業界の専門展示会や地域限定のビジネスイベントなら、出展費用が100万円以下で済むケースもあります。

次に、ブースでの接客を工夫します。大手企業のように豪華なブースを作る必要はありません。重要なのは、来場者の課題を引き出すヒアリングと、その場でデモを見せられる準備です。タブレットで製品デモを見せながら、「御社ならこう使えます」と具体的に提案することで、名刺交換だけで終わらない関係を築けます。

最後に、フォロー体制を徹底します。展示会で獲得した名刺は、温度感が高いうちに素早くアプローチすることが重要です。展示会終了後3日以内にメールと電話でフォローし、オンラインミーティングのアポイントを取得します。

小規模企業の成功事例として、年間2〜3回の専門展示会出展で、1回あたり50〜100件のリードを獲得し、そのうち10〜20件が商談化、最終的に2〜5件の受注につながるケースがあります。出展費用とスタッフの人件費を含めても、十分にROIが取れる施策です。

MAツールを導入していない場合、リード管理はどうすればいいですか?

MAツールがなくても、ExcelやGoogleスプレッドシートとメール配信ツールを組み合わせることで、基本的なリード管理とナーチャリングは可能です。

まず、スプレッドシートでリード管理台帳を作成します。列には、獲得日、企業名、担当者名、メールアドレス、電話番号、獲得経路、温度感(A・B・C)、最終接触日、次回アクション予定日を設けます。行動履歴も記録欄を設け、メール開封やサイト訪問は手動で記録します。

次に、メール配信ツール(MailChimpやBenchmark Emailなど)を活用します。リードをセグメント分けし、温度感に応じて異なる内容のメールを配信します。例えば、温度感Aのリードには週1回、Bのリードには月2回、Cのリードには月1回という頻度でアプローチします。

フォロータスクの管理には、Googleカレンダーやタスク管理ツール(Trello、Asanaなど)を使います。「3日後に〇〇社へ架電」「1週間後に△△社へ事例メール送信」といったタスクを登録し、漏れなくフォローします。

この方法の限界は、リード数が100件を超えると手動管理が限界に達する点です。月間リード獲得数が50件を超えたら、MAツールの導入を検討すべきタイミングです。初期費用が低く、小規模企業でも導入しやすいMAツール(HubSpot、Pardotなど)から検討を始めましょう。


まとめ:BtoBリード獲得で成果を出すための3つのポイント

①複数施策の組み合わせで母数と質を確保

BtoBリード獲得で成果を出すには、オンライン施策だけ、またはオフライン施策だけに偏るのではなく、それぞれの強みを活かして戦略的に組み合わせることが重要です。

【理想的な施策ミックス】

オンライン(量の確保)
├─ コンテンツSEO: 継続的な流入
├─ Web広告: 即効性のある獲得
└─ ウェビナー: エンゲージメント向上

オフライン(質の向上)
├─ 展示会: 大量獲得のブースト
├─ セミナー: 深い関係構築
└─ パートナー: 信頼されたリード

継続的かつ安定的なリード獲得が可能になり、売上目標の達成確率が高まります。

②データ基盤とフォロー体制の整備

リードを獲得しても、適切に管理・育成する仕組みがなければ、商談化率は上がりません。

必要な3つの要素

  1. MAツール・CRMの導入
    • リード情報の一元管理
    • 行動履歴の自動追跡
    • スコアリングの自動化
  2. 明確なホットリード基準
    • スコア100点以上
    • 特定ページの閲覧
    • 特定行動の実施
  3. 迅速なフォロー体制
    • 24時間以内の初回接触
    • 48時間以内の架電
    • インサイドセールスとの連携

データに基づいた優先順位付けと、タイムリーなフォローアップにより、リードから商談への転換率を最大化できます。

③継続的な改善と仕組み化

リード獲得施策は、一度設計したら終わりではありません。

PDCAサイクルの実践

頻度アクション
日次・主要指標の確認
・広告パフォーマンスチェック
週次・リード獲得数の進捗確認
・小規模な改善実施
月次・KPI達成度の分析
・施策別ROI評価
・翌月の計画策定
四半期・大規模な施策見直し
・新規施策のテスト
・予算再配分

CPL、CVR、商談化率、受注率などのKPIを定期的にモニタリングし、データに基づいた改善を続けることで、ROIを最大化できます。成功パターンが見えたら、その施策を標準化し、再現性の高い仕組みとして定着させましょう。